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2012



増田と初めて出会ったのは、もう20年近くも前の相模川。
その頃からスキアシの初期に至るまでのあいだ、スズキ釣りの相棒だった。
彼はいろんなルアーを削り、アルミホイルを張り、色をつけ、それをふたり
で朝になるまで投げた。
その増田が死んでしまった。
体が酒と一体化していたことを思えば、もしかしたら天寿だったのかも知れない。
「酒がなければオレじゃねぇ」というのが口癖だったし、
酒の席でのケンカやトラブルも数えていったらきりがない。

そんな、生きているうちから伝説のような男だったが、
本当にあっさりと本物のレジェンドになってしまった。
掟やぶり、破天荒、彼を伝えるのに近い、いろんな言葉はあるけれども、
本当は純粋そのものの男だった。
しかもナイーブで寂しがりやだった。

シャローを舞台にプラグに天才的なデザインを与え、
スズキ釣りにダイナミズムを与えた。
その中心にいたから、そのダイナミズムの波紋が全国に拡がっていく様子がよく見えた。
いまの釣り具屋にならぶルアーをよく見てみるといい。
メケメケ以前にはなかったデザインがどれだけ多いことか。
しかし本人は当時、自分のデザインをパクられることをあまり気にしていなかった。
むしろマネされるのはいいデザインの証拠だからだと鼻高々ですらあったが、
ビジネスは本当にヘタクソな奴だった。

スキッド&アシッドのメンバーは覚えているだろうか?
増田がスズキのことをあえてシーバスと呼ばなかったことを。
この意味がわかるアングラーがいま、どれだけいることか?
増田流に言えばたとえば、スピンテールジグはカス。死んでも投げねぇ。
そう、投げないだろう。
すべては誇り。プライドなのだ。
それなくして彼の人生はありえなかった。

そして、増田はいつでも正しいことしか言わなかった。
それは本人は意識していなかったことだろうが、
ロッドの理論にしても、子育てにしてもいつでも正しく、
その意味が後になってからわかることも多かった。
人の借金を踏み倒そうが、大迷惑な居候をしようが、
とにかく間違ったことは言わなかった。
その純粋な目線と野太い野生こそ増田そのものであった。

最後にはとうとうおれとはまるで違う道へ行ってしまったが、
それにしても、こんなカタチでお別れとは最後まで裏切らない男だった。
年末が近づけば体調を壊し、入院を繰り返し、何度津久井の病院に向かったことか。
増田が早死にするというのは公然のギャグだったが、
かわいそうなのは、いままで天国でのんきに呑んでたシンちゃんだろう。
この酒グセのわるいふたりが誰のフォローもなくあの世で呑むのかと思うと、悪いが笑ってしまう。
大橋さんは退屈しなくなったと喜んでいるかも知れないが・・・。
とにかく涅槃の際まで人騒がせな男だった。
引導の仏の手までわずらわせたことだろう。



このメッセージはかつての妻、ミヨちゃんに捧げます。
聡さんのことを理解しているのは三宅さんしかいないと、あのとき言っていたのは本当だったんだろうか?
だからひと晩でいいからお酒を付き合ってあげてと言っていたのをおれは無視してきた。
謝る気はないが、後悔が残ってしまった。
(2012.11.29)




10年ほど前、房総の小河川で何時間もフライロッド振り続けてやっと手にした1尾。
本当に本当にうれしそうだった。








関東と西日本では潮汐に半日の時差があり、
瀬戸内海で3メートル下げる日でも、新潟じゃ20センチしか下がらない。
そんな中、今回もみんなでトップウォータープラグでビッグワンを狙った。
全国的に魚もけっこう出て、近年にない盛り上がりで クラブトーナメント、
秋のバイトタイドが無事終了!

結果、
福井のショーヘイが地元で10ポンドを出して堂々の個人優勝。
おめでとう!

チーム優勝は221ポイントで東京。
2位は1ポイント差で新潟。
こちらもおめでとう!

とにかく今回はショーヘイをほめるしかなかろう。
1尾の魚が人生を変えてしまうことがあるように、大勢のエキスパートたちをさしおいて、
人生初の80オーバーは死ぬまで忘れられないはずだ。
トップの面白さは、その音や視覚以外にも意外性というか裏切り性というか、
釣り人その人さえ予想をしつつも予想のつかない楽しさがその本質なのだ。
その言葉にできない面白さを知ってしまったらもう、後戻りはできないぞ〜。
(2012.11.28)








相模湾でロッドを振らなかった夏。
その隙に、あいかわらず熱い夏休みを過ごした関東のメンバーたち。
ヒデキはカジキとつながって、その騒ぎに参加できなかったのはちょっと残念な気分。
毎日毎日、穏やかすぎる瀬戸内海を眺めて過ごす日々に、
外海のエネルギーは激しいなあ、と。あらためて思ってみたのでした。
(2012年 夏)











なにを今さら?っていう感じでフローターにハマってしまったのだった。
こんなに脱力な釣りっていままでなかったよなぁ。
とか思いながら、今日も浮いてみる。

遠いあの日のバスブーム。
このあたりのため池にせっせとバスを放したのは誰だったのか?
今となってはそんなこともどうでもいいくらい、すっかり夢のあと。
房総ではピンポイントと言われるこの時期でさえ、
誰も見ず、誰にも見られず、
ルアーもフライも知らないだろう元気なバスたちが人知れず出迎えてくれるのだ。

彼らがいったい何世代目なのかは知らないし、知るすべもないけれど、
ヘタクソで有名なおれのフライフィッシングでも十分楽しめるほど、
この幸せをいったい誰に感謝したらいいのかもわからないまま、
とりあえずはバスのいる池を根気よく探し続けた自分に感謝しときましょう。

ということで、フライがこんなに面白いと思ったこともいままでなく、
これまた今さら、バスがパーフェクトなゲームフィッシュだということを、
あらためて思い出させてくれるのでした。

環境庁のあの事件のときに、
北浦でトーナメントスタイルでバス釣りをしていた頃のタックルはぜ〜んぶ、
アタマにきた勢いで売り払ってしまったが、
ここではラバージグもディープクランクもいらない。
ペンシルベイトかバスバグだけあればいいのだ。

それにしても、その昔、
フローターで東京湾に初めて浮いた偉人たちにそそのかされて買ったフローターだったが、
いろんな因果に導かれ、まさかこんな瀬戸内の山の中で輝きを見せるとは思わなかった。
競争相手もいず、あせることもなにもない、ひっそりと山の中にある池々にプカプカ浮きながら、
そんな因果たちをひも解いてみれば、やっぱり釣りの楽しさっていうのは、
気の合う仲間たちやその仲間たちを通じて呼び寄せたものばかりなのだと。

自分ひとりでいい気になって楽しんでいる背景には、それに気付かせてくれたり、
ヒントを潜ませてくれた仲間たちの影がいつでもあるのだと、
バスバグの真下に突進してくるバスの影を感じながら、
強く思い直してみたのでした。

さあ、そしていよいよシイラの季節のはじまり〜!
どんな海が待ってるんでしょう?
(2012.7.5)








人生の一部を、なんの縁もなかった瀬戸内海の漁師町で暮らしはじめて、
ぜんぜん知らない海と川のどこから手を付けてみましょうかと。
大きな川から小さな川、波止、干潟、ちょっと走れば港湾や運河だって何だってあるのだ。
市場に並ぶ魚がなんとなく東京湾と似ているというのも、どこか親しみやすい。

釣り場を選ぶときの条件っていうのは人それぞれで、
とにかくどこでもいいから釣れればいい派から、こだわり派まで。
当然、前者の方が魚を手にする確率は高く、後者は低い。
ウェイダーを履いて、目線は出来るだけ水面に近く、
流れがあって、景色や雰囲気がよくて釣り人を見かけない。
人が釣れると言った場所には行きたくなくて、ピンポイントが多くて飽きない。
そんなところはあまりないのだが、でも、全然ないわけでもない。
しかし、こっちへ来てまだ数本のスズキしか手にしていないことを考えると、
やっぱりハードルは高いのだ。

でも、釣れないことは別に苦しいことではないし、
こっちならではの川や石の色、カニや貝、潮汐の早さとか、そんな新しい感覚を楽しみつつ、
まあ、いい魚に出会えたらラッキーくらいの感じで釣りをしているものだから、
釣れればびっくり!と同時にいろんなものを満足させてもらえるのだ。
それは情報に走って横並びになった釣り人たちの一人として魚が釣れてしまうという、
そんな安っぽい満足感とは次元が違うのだ。

そんなこんなで行われたスキアシ裏バイトタイドvol.2。
今回、いいポイントで気持ちよく釣りもできて、ありがたく優勝させてもらったのでした。
参加メンバーそれぞれのお膝元名産品をかけたゆる〜い戦い。
優勝者はそんなありがたい賞品を両手にわしづかみだ。
ありがとうございまーす!
さあ、なにがもらえるのかなあー。
(2012.4.24)








新年おめでとうございます。
スキッド&アシッドもおかげさまで今年で12周年。干支をひとまわり。
ものすごい事ごとが渦巻いた去年でしたが、そのぶんいろんなコトが見えてきたり、わかってしまったり。
そんなせいもあって、今年はより本能的な、感覚的な生き方に傾むいてしまいそうな。
でもそれがかえって楽しみな。そんな感じの1年にしたいと思ってます。
個人的には新しい遊び場もてんこもりな新年。

さてさて、年末から開催されたいた裏バイオタイド。
笠原が磯から会心のヒラをエントリーして優勝。
おめでとう。
続いて、さりげに本番に強いよしゆきが相模川から1本。
おれはビッグワンから見放されつつお情けぎりぎりのエントリー。
でもこれは、初めてのフィールドで自力で探し出した魚だけに、サイズはともかく超うれしい魚なのだ。
そんなこんなで微妙な盛り上がりを見せた初の裏BT。
考え無しでいい加減な開催時期もいい感じ。賞品もけっこう豪華。
次回はきっと狙ってやるのだ。
参加したメンバー。おつかれさまでした!

なにはともあれ、今年もよろしくお願いします。
笑顔の絶えない1年になりますように。
(2012.1.7)





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